東播磨高校演劇部が上演し、第63回全国高等学校演劇大会最優秀賞に輝いた籔博晶・作の名作『アルプススタンドのはしの方』。その後、2019年に舞台化で大好評を博した末、城定秀夫監督による映画化でスマッシュヒット、さらに2021年1月には新キャストでの2チーム構成で再舞台化が実現した、高校演劇から生まれた奇跡の企画である。

同級生が活躍している姿を「アルプススタンドのはしの方」で見つめることしか出来なかった高校生4人が、野球の試合展開と共にそれぞれが諦めきれない気持ちと向き合い立ち上がっていく。マウンドにもスタンドにも青春があることを教えてくれた。

東播磨高校野球部が第93回選抜高等学校野球大会に初出場が決まり盛り上がっている中、ここにもうひとつの青春が生まれた。2021年1月に浅草九劇で公演されたオリジナル戯曲での再舞台化『アルプススタンドのはしの方』高校演劇ver.の裏側をカメラに収めた密着ドキュメンタリーが2.27(金)-開幕となるMOOSIC LAB[JOINT]にて上映される。関西チームを谷口恒平監督、関東チームを今田哲史監督が担当した。

谷口監督が撮影した関西弁チームには、劇団献身の奥村徹也が演出、キャストは左京ふうか平井亜門藤谷理子中井友望が名を連ね、不安定な情勢の中、演劇を追求し続けるストイックさを収めている。北九州で活躍する現役大学生・若宮ハル(若宮計画)演出の関東チームはよりフレッシュな顔ぶれで、三木理紗子犬飼直紀橋本乃依蒼波純が出演。オンライン稽古やマスク着用必須の稽古という不自由なコロナ禍で、直向きに励むキャストの姿が目に焼き付く。

プロジェクト開始当初は誰も想像が出来なかった、公演初日の1月7日に緊急事態宣言発令という究極のコロナ禍での舞台制作の裏側、役者・スタッフの思いが詰まったボリューム感のある作品となっている。

<関西チーム監督 谷口恒平 コメント>
 取材を始めた2020年の11月から1ヶ月間、稽古場のはしの方から、スタッフ・キャストを見つめ続けました。
 年が明け、「あとは本番を残すのみ」というところで、緊急事態宣言の発令。
 いつ「しょうがない」という言葉が出てもおかしくない中、アルプスチームは泥臭くもがき続けました。
そんな皆さんにカメラを向けて見えてきたのは、人と人が向き合って生まれるものの強さでした。
 取材中、演出の奥村さんは「演劇って脆いですね」と漏らしました。
 その時は、何も返せなかったけど、今なら「でも、強いですよね」と言いたいです。
 今回の上映を通して、舞台をご覧になっていない方にも、人と人が向き合ってものを作るしんどさと面白さが伝わるといいな、と思っています。

<関東チーム監督 今田哲史 コメント>
 昨年の緊急事態宣言の発令後、不要不急のレッテルが真っ先に貼られたのが、演劇、映画、音楽等のエンターテイメント業界でした。そんな時代に表現を生業にすることを選択した人々を撮れたことは、大変意義深かったです。
 僕が主に担当した関東チームは舞台経験の浅いフレッシュなチーム。部活のように練習に打ち込む演者達。飄々と手綱を握る若き演出家、若宮ハルさん。そして上演できるよう奔走するスタッフ達。この先どうなるかなんてわからないけど、今できることをやる、今届けたいものがあるという気持ちをカメラ片手に追いました。
 この度僕が撮った関東チームと、しっかり者の谷口君が撮った関西チームの奮闘ぶりを一つの作品にまとめ上げました。楽しんで見てもらえたら本望です。
 プレイボール!

「カーテンコールのはしの方」

監督:谷口恒平・今田哲史|出演:奥村徹也(劇団献身)、若宮ハル(若宮計画)、左京ふうか 平井亜門 藤谷理子 中井友望、三木理紗子 犬飼直紀 橋本乃依 蒼波純 ほか|原作戯曲:籔博晶|企画:直井卓俊|制作・配給:SPOTTED PRODUCTIONS|制作協力:momocan|協力:伊藤園|カラー|STEREO|70min

■上映日程:

MOOSIC LAB[JOINT]2020-2021
❶ 3月27日(土)18:00-
❷ 3月28日(日)18:00-
劇場: UPLINK吉祥寺
*スタッフ・キャストによる舞台挨拶を予定!